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花瑠璃

気の向くままに、書き綴ったり、描き綴ったりするブログ

大阪松竹座・五月花形歌舞伎が熱い!(かなり長文、乱文です…)

歌舞伎
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演者さんがとても豪華だったことと、
ずっと観たいと思っていた怪談物だったので、絶対に行こうと決めていました。
その演目は『乳房榎』。仇討ちをベースにした物語です。

『四谷怪談』や『牡丹灯籠』などの女性のおどろおどろしい幽霊も観たいのですが…
美しい七之助さんの幽霊、怖そうです…玉三郎さんでも見てみたい…

午前の部の猿之助さんの宙乗りも観たかったのですが、
通しで行く時間がとれなかったので、今回は諦めて午後の部のみとなりました。
猿之助さんの宙乗りは是非とも千本桜義経で観たいです。

今回は勘九郎さんの早替りが入るとのこと、
早替りは花道が見えてこそなので絶対に花道の見える席を、
とかなり早めに席を取りましたが大正解!感動しました!!
久々に仮にあらすじを知らなくても楽しめる歌舞伎だったと思います。


まずは、新版歌祭文〜野崎村から
始まりから七之助さんの演じるお光が、許嫁の久松(歌昇さん)との祝言のが決まって
恋しちゃってルンルンで、可愛くていじらしくて、クスクス笑ってしまう微笑ましさ。
その対比で出家してから悲壮な感じが余計哀れに見えます…
人形浄瑠璃から歌舞伎になったものだからなのか、
お染(児太郎さん)が久松を説得しながら泣くシーン、人形浄瑠璃のような表現でした。
顔を伏せてかなり大きく首を揺らせて泣くのですが、
簪の揺れ具合や角度が人形浄瑠璃で観たことがあるという感じで…
人形浄瑠璃をみながら「本当の人みたいだった」と言い、
歌舞伎の役者さんを見て「人形みたいだった」と言う、
ちょっと可笑しいですね。

15歳〜18歳くらいの今で言う多感な年頃の後先考えない行動が、
ロミオとジュリエットを彷彿とさせます。
何も今日出会っていきなり心中決めなくても、お互いもっと良い人がいるかもしれないのに…
的な感じで、
お光さんも何も出家しなくても、別のもっと素敵な男性が現れるかもしれないのに…
と思ってしまいました。
チャップリンも言うように
人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。
を体言しているかのようです。
クローズアップすれば、15〜18歳くらいの女性が思い人のために
人生の何もかもを捨て去ってしまう哀れなお話です。


怪談乳房榎は怪談のはずですが、全く怖くなかったです。
エンターテイメント性が全面に出ていて、かなり楽しんで観ることができました。
圧巻なのはその早替り!本当に素晴らしかったです!!
勘九郎さんが絵師の重信・下男の正助・うわばみの三次の三役を演じられているのですが、
役から役への早替りが本当に早くて、どこでどう入れ替わっているのか全く分からず、
あまりにも素早く違うところから登場するので、会場がどよめいていました。

正助が絶妙なキャラクターで良い味してます。
合間合間にある浪江(猿之助さん)との丁々発止のやり取りが面白くて、面白くて、
早替りしているのに、猿之助さんから「遅い」と言われたり、
途中でお酒の話から猿之助さんのCMされているソルマックの話が入ってきたり、
しかも勘九郎さん商品をちゃんと飲んでいました(笑)
自分たちによく似た人たちが大阪松竹座で歌舞伎をしている話をして、
中村勘九郎と弟の七之助と自分(猿之助)が揃えば大入り間違いなし、
というお話をして会場内が大笑いでした。是非ともまたやって下さい!(切実)

舞台の大転換、今回は滝のシーンを本物の水を使用されていたので、かなり幕間が長かったのですが、
その間に水にかからないようにするための説明がまた面白くて、全く退屈しませんでした。
しかも、幕間にも関わらず勘九郎さんがものすごい早さで、
三階席、二階席、一階席の花道を駆け抜けていき、これにも会場から大きな拍手が起こりました。

滝のシーンでは正助と三次がもみ合いになるのですが、
入れ替わり立ち替わり勘九郎さんの役が変わるので、早替りをこれでもかと魅せつけてくれます。
影の役者さん(顔を見せずにどちらかの役を演じておられる)にも賞賛を送りたいです。
どっち?今どちらが勘九郎さん??とワクワク・ドキドキ。
最後に、えぇっ!!!どこで、どこで入れ替わったん???と鳥肌が…ある意味ホラーです…

最後の仇討ちのシーンはあっさりとしていたのですが、子役の子が可愛かったです。
大物役者さんの中で小さいながらに立派に見栄を切っていて、ほっこりしました。


18代目の中村勘三郎さんが亡くなられたときは、
あんなに面白い歌舞伎を観ることはもうないだろうなぁ…と思っていたのですが、
ちゃんと志がここに生きてる印象を受けました。
歌舞伎は古典芸能ではなく、現代にある歴としたエンターテイメントです!!

ご贔屓になれるほど凄くないので、影ながら
これからも歌舞伎を応援していこうと思います。

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